書籍のご紹介

 ~プロローグ~

 

 「効率よく生きたいのなら、生まれてすぐ死ねばいい」

 

つかぬことをおうかがいしますが、シイタケを食べたことはありますか?

・・・・あるんですね。

 

では鶏の卵は食べたことありますか?

・・・・あるんですね。

 

じゃあ、薬が家にあったりしますか?

・・・・あるんですね。

 

じゃあ最後の質問。旅行に行ったことはありますか?

え、それもある!?

 

 これ、全部、江戸時代の庶民にとっては贅沢なことでした。それに家にクーラーと冷蔵庫のある暮らしは、あの天下統一した徳川家康だって味わえていないんです。

 天下布武を掲げた織田信長だって、カプチーノを飲めずに死んでいるんです。

 僕らは、これまでの人類史の中で、一番贅沢に生きています。なおかつ、一番便利で、一番安全に生きています。さらに映画や漫画、ドラマ、ゲームなど楽しいコンテンツに囲まれた毎日を生きています。

 

 では、僕らは江戸時代の人と比べて、何万倍、幸せになっているんでしょうか?

 

 江戸時代末期、海外から日本にやって来た外国人たちは、日本人を見て口々に、

「日本人は幸せで満足している」

「町中に上機嫌な様子がゆきわたっている」

「顔がいきいきしている」

と記しています。

 黒船でやって来たアメリカのペリー提督しかり、イギリスのオズボーン艦長も、

「(日本では)不機嫌そうな顔には一つとて出会わなかった」

と言っています。

 フランスの作家ボーヴォワールは、「日本人ほど愉快になりやすい人種はほとんどあるまい」と言い、1886年の『タイムズ』誌には「誰の顔にも陽気な性格の特徴である幸福感、満足感、そして機嫌のよさがありありと現れている」と記されています。当時の日本は、今より、もっともっと貧しかったにもかかわらずです。

 では、今の日本に、上機嫌な様子がゆきわたっているでしょうか?

贅沢ができて、便利になって、安全になった結果、僕らの幸せは、むしろ激減してしまっているのではないでしょうか?

 

 じゃあ、どうしたらいいのか?

 

 すべての答えが、アフリカの「ブンジュ村」にあったのです!

 先日知り合ったSHOGEN(ショーゲン)さんは、アフリカのペンキアートを学びたいと、アフリカのタンザニアの「ブンジュ」と呼ばれる村で生活することになりました。

 実は、この村こそ、そこに住む人たちの幸せがずっと続いている村だったのです。

ショーゲンさんが同居させてもらうことになった家の近所に、ザイちゃんという3歳の女の子がいました。

 ある日、ザイちゃんはお父さんに「流れ星をつかまえに行きたい」と言いました。

もし、あなたが3歳の子から流れ星をつかまえに行きたいと言われたら、どうしますか?

その村の大人たちは、全員が行くんだとか。

その日も、1時間半くらい探して帰ってきました。またその翌日も、お父さんたちが探しに行こうとしたので、ショーゲンさんは、さすがにもうやめさせようと「流れ星なんてつかまえられるわけがない」と伝えたんだそうです。すると・・・・、

「ショーゲン、お前は、流れ星をつかまえに行ったことがあるから、そう言ってるのか?」と聞かれた。

「行ったことはない」と言うと、「行ったことのないやつに言われたくない。お前にはロマンとか夢はないのか?」と真面目な顔で言われたそうです。

 

「ショーゲンは、いつも無駄を省いて、効率よく生きようとしているけど、無駄とか、しょうもないことの中に、幸せってものがあるのに、もったいないなあ」

 

 さらに追い討ちをかけるように、こう言われたそうです。

 

「効率よく考えるのであれば、生まれてすぐ死ねばいい。

 人はいかに無駄な時間を楽しむかっていうテーマで生きてるんだよ。

 お前の心のゆとりはどこにあるんだ?

 お前の幸せはいったいどこにいったんだ?」

 

 でも、これ、昔の日本人の感性なんです。

 ご覧ください。

 かつての日本人が無駄を楽しんでいた決定的な証拠を!

 

その証拠画像とともに次回へ続きます・・。      温王子でした・・・