はじめに2

 ~アトピーで湿疹が出るのは皮膚が正常に戻るために必要なこと~

 

 アトピー性皮膚炎による湿疹を例に挙げて、対症療法と根本療法の違いを説明しましょう。

西洋医学では、湿疹という症状は悪いものと考えます。確かに、強いかゆみはつらいですし、見た目も気になります。睡眠をはじめ、日常生活や仕事に支障が出ることもあります。ですから、一般的な西洋医学、いわゆる対症療法では、湿疹を抑えるためにステロイド剤などの薬を使います。これにより症状をなくすことが治療の目的です。この場合、結果である症状(湿疹)をとりあえず見えなくすることはできます。日常生活も快適に過ごせるようになるかもしれません。

 しかし、なぜ湿疹が出るかについて、対症療法は全くアプローチしていません。ですから、ステロイド薬などの薬をやめれば、症状はもとに戻ることが多く、ずっと薬を使い続けなければならなくなるのです。高血圧や糖尿病など、ほかのあらゆる慢性疾患でも同様です。一度、薬の処方が始まれば一生飲み続けることが多いのではないでしょうか。

 

 では、一方の「なぜ湿疹が出ているのか」という根本原因にたいする治療、いわゆる根本療法ではどうでしょう。自然に起こっていることを注意深く見ると、私たちの体は何一つ間違ったことは起こさないことに気づきます。湿疹が出るのは、湿疹を皮膚から出さなければならないからにほかなりません。

 湿疹という症状はつらいものですが、皮膚が正常な状態に戻るために必要なものなのです。ですから、皮膚からの排出が済んで、出す物がなくなれば、湿疹は自然に治まります。

 このように、対症療法と根本療法では、見ている観点(方向性)が全く違うのです。どちらがよいとか悪いとかいうことではなく、どちらにもよい面、悪い面があります。しかし、西洋医学は対症療法に偏り過ぎです。もし、症状が治るために出る必要があるものなら、それをただ取ってよしとする西洋医学は、この自然に治るという私たちが持つ本来の過程を妨げていることになります。   以上です。

 

次回は「はじめに3」となります。いよいよ本間先生のカラーが出てきます。お楽しみに!    温王子でした・・・