書籍のご紹介

 「はじめに」

 

~病気とは生活が本来の自然な状態から外れているサイン~

 

 現在、私は栃木県にある片田舎の診療所で町医者をしながら、米や野菜を作り、調味料をはじめとした手作りの生活を楽しんでいます。不自然で余計なものは極力使わず、土や環境、微生物をを大切にする暮らし方です。そうした経験から分かったことを、日ごろからインターネットや書籍、講演会などを通して発信しています。

 このような生活をする私も、かつてはごく普通の医師でした。専門は小児科で、地元の大学病院の新生児集中治療室(NICU)という、西洋医学の治療ノウハウを集約したような現場で働いていました。研究はウイルス学。米国立衛生研究所(NIH)に留学し、遺伝子工学を利用してワクチンの開発を行ったこともあります。

 現在の私の健康や病気についての基本的な考え方は、ごくシンプルなものです。

健康や病気は、ふだんの日常生活で決まります。「不自然な生活があらゆる病気の原因であり、自然に沿った生活をしていれば病気にならない」ということです。

 つまり、「病気とは生活が本来の自然な状態から外れているサインで、それを見直すことが根本的な対策」になるのです。

 西洋医学の最先端で働いていた私が、正反対ともいえる生活に変わり、このような考えを持つに至ったのは、健康や病気の本質をとことん突き詰めた結果です。

 

~西洋医学は病気の原因である”なぜ”にアプローチすることが苦手~

 

 次々と登場する新薬やワクチン、新しい治療法、再生医療など、西洋医学は現在急激に進歩しているように見えます。もちろん、それはすばらしいことです。

 しかしその一方で、西洋医学の多くは、病気の結果(表面部分)しか見ていません。ひとまず見た目の問題は解決しても、本質からは外れています。それは私が「現代病」と呼ぶ、現代に急増している多くの病気という形で具現化しています。アレルギー性疾患や自己免疫疾患、生活習慣病、がん、うつ、発達障害などです。

 

 どんな結果にも原因があります。病気という結果にも必ず原因があり、病気から症状が出てきます。西洋医学では、結果である症状や検査の異常値を悪いものと考えます。そして、症状を抑えたり、検査値をよくしたりする治療を行います。

 例えば、熱が出れば熱冷ましを、痛みがあれば痛み止めを、血圧が高ければ血圧を下げる薬を、がんが見つかればがんを取り除く治療を行います。これらは、すべて「対症療法」のなります。

 

 原因とは「なぜ」ということです。実は、西洋医学を含めた科学というのは、「どのように」というメカニズムに対してはうまく説明できますが、ことの本質である「なぜ」に対してはアプローチすることがとても苦手なのです。

 一方、病気の原因に対処することで、病気や症状を改善するのが「根本療法」。現在の私は、こちらのほうがより本質的な治療だと考えています。   今日はここまでです。

 

「はじめに」から、かなりボリューミーなので次回に続きます。

なんとなく安保先生のような雰囲気を醸し出しておられる先生です(容姿ではありません)。本間真二郎先生。王子「推し」の先生です。     温王子でした・・・