船井幸雄氏のこと

 船井総合研究所の最高顧問である船井幸雄氏と対談する機会がありました。いろいろと刺激を受けたので、その印象をお話ししましょう。

 船井氏はエネルギッシュな外観に似合わず、小さな声で抑えた話し方をされます。1年に260回も講演をこなし、たくさんの本を出版し、多くの経営コンサルタントも務めるという、多忙の極みともいえる生活は、まさに交感神経緊張の生き方でしょう。しかし、抑えた話しぶりは精神の安定を意味しています。大きな声で話せばエネルギーの消費量が多くなりますし、話す行為は、当然、呼吸を伴うので、過呼吸気味になりやすく、交感神経緊張がもたらされます。その意味でも、低い声で話すことにはメリットがあるのです。

 また、船井氏は、自分は戦中・戦後を経験し、変化の時代に生きるべくこの世に送られてきたのだと思っているそうです。因果律という言葉も使われていました。この世には原因があり、それが必然の結果と結びついて進んでいる。物事は成るべくして成るのだとというように考えることが、精神の安定に繋がるのでしょう。

 忙しい毎日で健康を維持するには、生活のリズムが大切です。船井氏は夜9時半に寝て朝3時半に起床するという、典型的な早寝早起きの生活を送られています。しかし、食事時間は短く、肉が好きで、風呂はカラスの行水だそうですから、基本的には交感神経優位の顆粒球人間ですが、睡眠でバランスをとっているのでしょう。近頃は、10分くらいは風呂に浸かるようになったそうです。自分のからだをみごとにコントロールされています。

 そして、他人の話にじっくり耳を傾けます。アクティブな人は、自己主張ばかりして、他人の話を聞かなかったり、話を遮ったりしがちですが、そんなところはまったく見られませんでした。そのお蔭で、いつも新しい情報を取り入れることができて、知識が増え感性が磨かれていくのでしょう。大いに学びたいところです。

 最後に、船井氏の著書から一文を紹介しましょう。「世の中で起こることはすべて必然、必要で、振り返ってみればすべてベストのタイミングで起きている」 (「船井論語~人生片~」ダイヤモンド社刊)    以上です・・。

 

いや~たいへんオモシロイお話しでした。と王子は感じました。「因果」という言葉に最近、親近感を覚える王子ですが、受け止めて昇華したいシロモノだと思います。    温王子でした・・・