病気を体験することの意味

 東洋医学には「未病」という言葉があります。健康と病気の中間という意味でしょう。未病のうちに対処して、病気を防ぐことは大切です。当然のことながら、大病してからでは治るのに時間がかかるからです。しかし最近私は、病気になってしまうのも、ある意味、すばらしいことではないかとさえ思うようになりました。

 ほとんどの病気は、生き方の無理や偏りから発症します。ですから、病気から脱却するために、最大の力となるのは生き方を変えることなのです。しかし、生き方を変えるのは簡単ではないかもしれません。人それぞれ独特の性格や考え方が染みついていて、それを修正するのは困難だからです。

 しかし、病気になってしまったら、嫌でもそれまでの生き方を考える必要に迫られます。大病をして、ようやく生き方の無理に反省点が及ぶということも多いのです。特に、ガンや膠原病、そして潰瘍性大腸炎などは、いかにストレスの強い生き方を選択しつづけていたかを自覚できるのです。人は痛い目にあわないと真実に気づくことができないというのも、また真実なのでしょう。

 同様に、子供がアトピー性皮膚炎や気管支喘息になると、育て方を見直すきっかけになります。甘い物を食べる習慣、屋外で遊ばない習慣などを変えるのは容易なことではありません。つい現状維持で進んでしまいがちです。見方を変えれば、アレルギー疾患は子供らしい生き方を取り戻すチャンスともいえるのです。

 一方、病気は生き方の偏りに起因することを自覚できずに、それまでの生活を変えることなく、薬を飲んでよしとする人たちもいます。その場をしのげれば、それでいいという生き方です。高血圧症の人が降圧剤を飲むのも、不眠症の人が睡眠薬を飲み続けるのも、自分の生き方など知ったことではないということなのでしょう。

 病気を、生き方を変えるチャンスと理解した人たちが、共通して口にする言葉があります。それは、「病気になってよかった」です。ガンになった場合でさえもそうなのです。世の中には、無駄なことなどないのだとつくづく感じています。

以上です・・。

 

今回これきりの人生、病気の経験も、治す気概があれば良しとしましょうか・・?。来世の糧になるように・・(笑)。

温王子でした・・・