仕事のように血圧を測る人がいる

 ある講演で、次のような質問を受けました。「自分は早朝高血圧症と言われて、降圧剤をここ数年飲んでいますが、薬がだんだん効かなくなって、困っています。どうしたらいいでしょう」というものです。数値を聞くと、朝、最大血圧が150㎜Hgくらいだといいます。

 この問題について考えたいのですが、まず、血圧について理解しておかなければならないことがあります。

 第一に、ある程度の早朝高血圧は、からだの正常な反応だということです。夜、横になって眠っている間は、重力から解放されるので、筋肉は弛緩して血圧は低下します。最大血圧は100㎜Hg前後です。しかし、朝、目覚めて活動を開始すると、120~140㎜Hgまで上昇します。上昇することによって、元気に活動できるわけです。

 第二に、物事に熱中したりすると、交感神経緊張になり、一時的に血圧が上昇します。これが活力の元になっているのです。

 1日中血圧が高くて、筋緊張でめまいや肩こりなどの症状が出るような場合は、高血圧症として問題になりますが、一時的に血圧が上昇するのは、正常な生体反応なのです。特に不安になった場合など、瞬間的に血圧上昇は鋭いピークを示します。

 みなさんのまわりにも、仕事をリタイアしたお年寄りなどで、1日の間に、5回も6回も熱心に血圧を測定している人がいるのではありませんか。このような人は、すでに健康病ともいうべき呪縛に囚われているといえるでしょう。こんなことをしていてはこころが休まる暇がなくなり、交感神経緊張で、血圧がさらに上昇するパターンに入ってしまいます。

 では、高血圧の不安から逃れるためにはどうすればいいのでしょう。まず1~2カ月、血圧の測定をやめてみることです。健康のことばかり考えている生活は、自分のからだに常に疑問をもっている状態です。これは、感謝の気持ちを抱いて生きることとは対極にある生活だといえるでしょう。

 次に、血圧の薬自体をやめることです。血圧の調整は、元々からだに具わった仕組みで、外から行うことではありません。むしろ、薬で血圧を下げようとすれば、からだはそれに抵抗して、ますます交感神経緊張になるでしょう。特に、お年寄りでも、元気な人なら、調整力もまだまだ強いですから、血圧降下剤を飲んでしまうと、からだに血圧を上昇させようという力が働いて、さらに上昇してしまいます。

 冒頭の質問者の場合でしたら、最大血圧が、たまに150㎜Hgになるくらいで、びくびくして暮らすことはないのです。   以上です・・。

 

な~るほど。でした~(笑)。しかし、健康病というワードが王子の胸にささったような気がしました(笑)。みなさんも・・ですか~?

温王子でした・・・