頭のなかが真っ白になる

 「キレない子どもを作る食事と食べ方」(今村光一著、主婦の友社刊)は、一般の人にも医療関係者にも読んでもらいたい本です。医学の進歩はこのような本から始まるといってもいいのではないでしょうか。

 この本の中に、「頭のなかが真っ白になる」という話があるのですが、これについて自律神経との関係で謎解きをしてみましょう。

 「頭のなかが真っ白になる」と同じように「目の前が真っ白になる」という表現がありますが、私たちはあまりにも興奮すると、周囲が明るく見え、ついには目の前が白く見えるようになることがあります。

 そんなときには、意識は集中を通り越して、ひとつのことしか考えられないようになっています。善悪の判断さえつかなくなっているかもしれません。いわゆるキレている状態です。このときは、脈拍が増え血圧が上昇しています。交感神経反射で循環量が増え、血流が増大しているのです。

 また、不安などで過呼吸になったときにも、目の前が真っ白になります。この状態は、自分で意識して過呼吸してみることによって体験することもできます。

 これらは酸素の多い状態、血流が多い状態なのですが、突発的な交感神経反射、あるいは交感神経緊張で起こる症状なのです。

 なぜ、そうなったのかというメカニズムが分かれば、自分で治すこともできます。つまり、深呼吸をして、呼吸をゆっくりしたペースに戻せばいいのです。

 反対に、元気がなくなったり、気分が落ち込んだときには、目の前が真っ白ではなく真っ暗になることがあります。この発症のメカニズムは逆で、脈拍が低下、血圧が下降し、循環血液量が減少しているのです。つまり、目の網膜へ行く血流が低下するために起こるのです。

 そんなときは、からだを横にすれば改善します。頭部や目に行く血流が増加しますから、だんだん目の前が明るくなってくるでしょう。これは副交感神経反射によって起こります。

 また、副交感神経反射の極限で起こるのがショック状態です。ショックを起こす原因はいろいろあるでしょうが、強い痛みを感じたり、ハチに刺されたりした場合にも起こります。本来、副交感神経反射は排泄反射なので、脱糞や尿失禁などを伴うこともあります。

 このように自律神経の働きを理解すると、多くの難問に答えが得られるのです。   以上です・・。

 

なるほど~といった所でしょうか。自律神経の働きを理解すること、必要ですね~。チョイムズですが・・(笑)。   温王子でした・・・