薬を飲み続ける

 頭が痛い、膝が痛い、咳が出る、下痢ぎみである、血圧が高い、コレステロール値が高い、皮膚が痒い、など多くの症状で、薬を飲んでいる人がいます。中には8種類、あるいは10種類の薬を、それも長年にわたって飲み続けている人もいます。にもかかわらず、症状はよくなりませんし、むしろ前よりも悪くなっていることが多いのです。ここでは、薬を飲み続ける人たちの思考パターンを考えてみましょう。

 

1.症状を、生き方の無理からくる警告と捉えずに、自分のからだが失敗を犯していると考える。

2.薬が対症療法と知らずに、根治のために処方されていると誤解している。

3.薬には副作用や害があり、病気をむしろ悪化させることが多いのを知らない。

4.徐々に病気が悪くなっていても、薬のせいではなく、自分のからだのせいだと諦めてしまう。

 

 このような考えに支配されていると、患者さんはいつまでも薬を飲み続けますし、医師の方も、たくさん薬を出すのはよい医療行為だと思ってしまいます。しかも薬代のほとんどは保険制度が適用されるので、患者さんのふところもそれほど痛みませんし、医師の方も安心して薬代を請求できます。こういう流れが現代の医療を支えているのです。

 なかでも一番陥りやすいのは、わたしたちのからだ、生命体が頻繁に失敗を犯すという考え方でしょう。しかし、人間は35億年の歴史を背負った生命体です。そう簡単には失敗など犯さないと考えるほうが自然です。むしろ、生き方の幅が広がり過ぎて、無理な生き方をしてしまうところから病気になるのだと考える必要があるのです。無理を続けて健康を維持することなどできません。

 冒頭に挙げたような症状は、つらいものばかりです。だからこそ、生き方の無理を警告するのに優れているのだと考えなくてはいけません。つらくない症状で止まっていたら、生き方を見直すきっかけにはならないからです。むしろ、対症療法で症状を軽くして同じ生き方を続けることこそが、大病へ続く道なのです。

 私たちは物事が徐々に悪化すると、本当の問題に気づかずに、自分のからだのせいにしてしまいがちです。特に、年齢のせいにしがちです。しかし、人間はかなりの長命を約束された生命体です。50歳や60歳で死に至ることは少ないと知っておくべきです。   以上です・・。

 

信長の時代は人生50年だったかもしれませんが、戦乱の世。今は、死に至るといわれている病気でも無茶をしない限りは、7~80年は普通です。時代の背景もかかわってきますが、生き方を選択できる日本は恵まれていると感じます。できるだけ、変なモノは体に入れたくないと思う王子です。

温王子でした・・・