「抗ガン剤」は「発ガン剤」

温王子です。今日はものすごい題名ですが、見てみましょう。では・・。

 

 言葉には不思議な力が宿っています。私たちはよい言葉を口にすると気持ちがよくなり、悪い言葉を口にしているとつらい気持ちになるのではないでしょうか。朝起きたときに、今日もいいことがありそうだと思うのと、今日も大変だと思うのでは、その一日の過ごし方が変わり、ついには人生も変わってしまうでしょう。私自身を振り返ってみると、子供のときも成人してからも、言葉や思いの大切さに気がつく機会があまりありませんでした。無我夢中で生きていたからだと思います。その大切さに今ようやく気がつきはじめています。

 「抗ガン剤」という言葉は、いい響きを持っています。ガンに対して、いかにも効果がありそうです。いい言葉であればあるほど、その不思議な力によって、言葉だけが一人歩きしてしまう危険性をはらんでいます。

 抗ガン剤の多くは代謝阻害剤で、本当はからだに悪い物質なのです。約50年前に代謝阻害剤がガンの治療に使われ出したとき、これらの薬は毒性の方が強く、治療薬としての見通しはあまりよくなかったように思います。

 その後、代謝阻害剤は抗ガン剤と呼ばれるようになりました。それから、医者にも患者にも変化が起こったように思います。「抗ガン剤」という言葉の持ついい響きの力によって、薬の実体が見えなくなってしまったのではないでしょうか。抗ガン剤を使う医師は、いいことをしているつもりになっていますし、処方される患者さんもプラスの治療を受けているように思っているのです。

 代謝阻害剤は、本来、代謝の早い正常細胞に対する増殖抑制作用が非常に強く、窶れ{やつれ}や病気をつくる薬なのです。特に、細胞増殖の速いリンパ球に対する抑制作用が強いので、本来は免疫抑制剤と呼ぶべきなのです。免疫抑制は発ガンを促しますから、代謝阻害剤は、本当は「発ガン剤」と呼ぶほうが実体に合っているかもしれません。

 もし、医者がガンの患者さんに対して、「抗ガン剤」のかわりに「発ガン剤」という言葉を使ったら、患者さんは薬の使用をためらうでしょう。薬に響きのよすぎる名前がついてしまうと、後に続く医者は物事の本質を誤解してしまうのです。その結果被害を受けるのは、真面目な患者さんということになります。   以上です・・。

 

いや~実に「やさしい辛口」の安保節でした。先生の言っておられることは本当なので、少しコワイ気もする王子ですが、みなさんは、どう、考えますか?お感じになりましたか?    温王子でした・・・