断食すると、からだはどう反応するか

温王子です。今日は安保先生の、あるお正月のお話しです。では・・。

 2005年の正月は元日、2日と平穏に過ごしましたが、3日の朝、お腹が苦しくて目が覚めました。人間は理屈をつけるのが好きだなとつくづく思ったのですが、私は、お腹が苦しいのはまず、夕食を食べ過ぎたからだと考えました。しかし、からだの節々が少し痛いし、だるいので、次に考えたのが、2日に娘たちと卓球とボウリングをして遊んだから、筋肉痛が出たのだろうということでした。とにかく、朝食を抜いて様子を見ることにしました。 

 昼前に寒気がしてきましたので体温を測ると、35.6℃でした。低めです。1時間後、体が熱っぽくなって、体温は37.1℃になっていました。ここで初めて、風邪をひいたことに気がついたのです。我ながら鈍いですね。1週間前に、次女がお腹の痛くなる風邪をひいていたのです。ここでやっと謎が解けました。 

 半年間くらい、周囲の人が風邪をひいても自分はひかなかったので、これはいい機会だと、自分の風邪の経験を観察することにしました。昼食も抜いて寝ていました。夕方からは寝ているのに飽きてしまったので、微熱のまま本を読み出したのですが、熱があると血行が良くなるので、本を読みつづけても、からだ自体は疲れますが、目の疲れは少ないと感じました。夕食もほとんど食べずに寝て、翌朝にはほぼ治りました。正味1日半のつらさだったわけです。 

 次の日、大学に出て郵便分を見ていたら、日本綜合医学会会長の甲田光雄先生の年頭所感が届いていました。その中に、断食の力は「自食作用」にありということが述べられていました。ちょうど1日断食をした後だったので、内容がスムーズに頭に入ります。断食をすると栄養が外から入ってこなくなるので、栄養素は自分のからだのなかでつくらなくてはなりません。 

 断食の極限は、遭難事故などによって、何日も食事(や水)が摂れなくなることでしょうが、絶食が続くと、脂肪だけでなく、やがては筋肉、内臓、骨なども痩せ細っていきます。 白血球は単細胞生物時代の生き残りで、マクロファージが基本ですが、絶食状態では、マクロファージが自分の組織を食べ、自食作用によってエネルギー源をつくりだすのです。 

 軽い断食の場合なら、この自食作用を真っ先に受けるのは、ポリープやガン組織など、本来その人にとって必要のない部分だといいます。進化した顆粒球とリンパ球による生体防御の他に、マクロファージの自食作用による第三の免疫があるということです。 思えば、甲田先生の新年のお話を実感するために、風邪をひいたようなものでした。   以上です・・。

 

 断食とダイエットは似ています。体のためにはダイエットより定期的なプチ断食がよいようです。ダイエットというと肥満や糖尿の方々がよく口にしますが、その前に自律神経を整え(バランス)る努力と生活習慣の見直しが必要ですね。  温王子でした・・・