多細胞生物としての人間

 従って、多細胞生物の病気は、「調節系」や「生体防御系」などのからだ全体に及ぶシステムの破綻と繋がっている可能性を考えなくてはなりません。私が「調節系」の基本としての「自律神経系」や、「生体防御系」の基本としての「白血球系」に注目するのは、このような理由からなのです。

 病気の原因を「調節系」や「生体防御系」などのシステムの破綻と捉えたとき、次に生じる疑問は、「自律神経系」や「白血球系」に異常が起こるのは、どのような場合なのかということです。進化のすえに多細胞生物に具わった、このような巨大で巧妙なシステムが、初めから破綻しているとは考えにくいからです。原因は他にあると考えるほうが矛盾がありません。

 そこで私は、人間の生き方が大きく関わっているのではないか、と考えました。私たち人間は生命進化の過程で大きな能力を獲得してきましたが、その能力の限界を超えた生き方を選んでしまった場合は、どうなるでしょうか。

 野生動物が、その生存を脅かされる原因の多くは、まわりの環境の変化に関係しています。しかし、人間の場合はどうでしょう。脳が進化し賢くなり過ぎて、自分で自分の能力を超えた生き方を選んでしまう危険性が生まれてしまったのです。本来具わっている能力以上の無理な生き方を、長年にわたって続けたらどうなるか、考えてみてください。これが病気に繋がるのです。

 一方、その逆に、進化で獲得した能力を充分に使わない生き方を選んだ場合には、どうなるかという問題もあります。その機能は衰えるばかりでしょう。運動不足や肥満などの流れは、こちらです。また、からだの機能ばかりででなく、活力のない生き方もこちらに入るでしょう。このような生き方も、やはり病気に繋がるのです。

 能力の限界を超えてしまっていたり、あるいは逆に、機能を使わなすぎたりといった生き方を続けたとき、果たして「自律神経系」や「白血球系」は正常に働けるかどうか。この問題を追及してゆく必要があります。そこから、健康や病気というものの本質が見えてくるのではないでしょうか。 以上です・・

 

王子も安保先生の考え方に共鳴します。だから「還元陶板浴」なのではないでしょうか。「自律神経系」に働きかけることによって「白血球系」の正常化を図ります。これは陶板室に横になってから20~30分の全身温熱が、副交感神経を正常化へ導き、白血球のリンパ球率30~35%へと誘うのだと思います。まさに副作用の無い治療といっても過言ではないと思います。この継続が、結果として「体が軽くなった」「血液検査の結果が良くなった」などの喜びの声として、感覚や数値で現れてくるのだと感じます。皆さんはどう思いますか?感じますか?   温王子でした・・・