人工透析を止められない原因

利尿剤を使って腎臓を無理やり働かせ、腎機能の回復を妨げて悪化させていきます。体を脱水症状にさせて血液の粘性を高め、ドロドロにしていきます。水分が減ってドロドロの血液を体全体に巡らせるには、血圧を上げなければよくなりません。

 血圧を上げるのはアドレナリン、交感神経の働きですから、利尿剤によって脱水症状が続き、よりいっそう交感神経が緊張し、ふえた顆粒球の活性酸素が腎臓を攻撃し、腎機能は破壊されます。腎機能が機能ががどうしようもないほど低下した結果、腎臓透析にいきつきます。

 腎臓の専門外の先生の治療を受けると5年たっても10年たっても、いくら腎臓が悪いといっても透析に入るまでにはなりません。腎臓透析になっているのは、ほとんどが腎臓の専門家にかかった患者さんです。専門家はやはり利尿剤と降圧剤で徹底的に腎臓の血流を止める濃厚な治療をするので、血流障害が早く起こりやすいのです。

 私がまだ20代の頃は、さすがに透析に入るのは患者さんの人生にとって大きなことです。週に3回くらいずつ1回3~5時間、機械を使って血液を浄化するわけですから大変です。しかも当時1年で約400万円のお金が必要だったので、経済的に捻出するのは大変なことでした。

 ですから、透析に入るかどうかは、患者さんの腎臓に針を刺して綿密な腎生検を行って決断しまいた。尿を最初にろ過する糸球体にグロメルルスが、1つの視野あたり何個残っているかを調べ、もう使い物にならないとわかって、透析にふみきったものでした。

 ところが今は、血液検査で尿素窒素(たんぱく質が利用された後にできる老廃物で、腎機能が低下するとろ過しきれずに血液中の尿素窒素BUNの値が高くなる。正常値は8~20mg/dl、クレアチニン(筋肉内でアミノ酸の一種クレアチンがエネルギーを放出するときにつくられる代謝産物で、腎機能が低下すると再吸収されずに血液中に溜まり、値が高くなる。基準値は、だいたい男性0.6~1.1mg/dl、女性0.4~0.7mg/dl)が異常になるとすぐ透析になります。 なぜ、簡単に人工透析になるのかというと、透析の費用を全部国で負担しているからです。

 患者さん本人が費用を負担するとなると、本人もお医者さんも真剣になります。ですが、誰かが支払ってくれるのでしたら、お医者さんも「はい、どうぞ」となり、それですんでしまう日本の医療制度のために透析治療を受ける患者さんがふえていっています。

 大事なのは、透析することをお医者さんから考えるよういわれたときです。その時に薬を半分に減らして体を温め、ほどほどの水分を取って血流をふやす方法をとると、1週間くらいで完全に透析から逃れることができます。

 実際に、慢性腎不全の患者さんは、透析の危機から脱却することができました。 まず、腎機能を悪化させる原因の利尿剤の服用をやめることです。そして治療には、温かいお湯を飲む、お風呂に入ってしっかりと温まることです。体が温まればストレスから解放され、体の緊張状態が緩んで副交感神経が優位になります。そうなると腎機能が改善に向かい、尿の出がよくなり、高すぎる血圧も低下して降圧剤も必要ありません。

 中には、いったん始めた透析を止めることができた人もいます。透析は一生続けなければならないという常識も間違いであることがわかりました。ただし、透析を止めるには腎機能が残っていることが前提で、透析を始めて半年以内が目安です。

 透析に入ると自分の腎臓を使わなくなり、さらに尿をも使わない状況になります。ですが、透析に入った人でも体を温めてほどほどの水分量をとり出すと、自前の尿が出てきます。

 急性腎不全になっても生き返る人、あるいは透析を行っても透析をやめられる人は、血圧がひどく高いままでも、いわゆる薬への抵抗性がある(効かない)ので助かっている人です。 透析は慢性腎不全患者さんの最後の砦です。

 医療には、透析にならないように腎機能の低下を食い止める役割があるにもかかわらず、透析に歯止めがかからなくなっているのは、利尿剤、降圧剤、ステロイド剤などの危険な薬がどんどん使われているからです。薬を止めて体を温める治療を行えば、慢性腎不全の患者さんの7割は透析を回避できると確信しています。   以上です・・。

 

 ビシッっと安保節「薬を止めて体を温める治療」で終わりましたが、日本の行き過ぎたお医者様信仰が背景にある限り、現状の打開は難しいとおもいます。私たち一人ひとりが知恵(安保先生の本を読むこと)を持たないと無理でしょう。でも、王子は温に縁ある皆様へ本ブログで、少しでも応援していこうと思っています。

 

 次回からは「病気の治し方」を一緒に学習していきたいと思います。いよいよ大詰めです!  温王子でした・・・