アルコールはアセトアルデヒドに分解され、酢酸、水に変わり、90%以上が代謝されています。
「脂肪肝」~交感神経緊張・血流障害~
脂肪肝は中性脂肪やコレステロールが溜まった肝臓の肥満症で、肝臓がフォアグラのような状態になったものです。
食事からとった脂肪は、小腸で脂肪酸に分解され、肝臓に送られます。食べ過ぎや飲み過ぎによって脂肪酸がふえると、脂肪酸からつくられる中性脂肪が肝臓にたまります。中性脂肪が5%を超えた場合を脂肪肝といいます。脂肪肝になっている組織を顕微鏡で見ると、肝細胞内に球状の脂肪が異常にふえているのがわかります。
変温動物である軟体動物や魚類などは、うまれつき脂肪肝です。体温を維持するためのエネルギーは必要ないので、脂肪を肝臓だけに蓄積しているのです。 ところが、進化により恒温動物があらわれると、体温を一定に保つために肝臓から皮下脂肪、内臓脂肪へと脂肪を移して保温エネルギーとして使うようになりました。
特にストレスがかかると、体は瞬発力を使い、解糖系のエネルギー生成で危機を乗り越えようとするので、体は皮下脂肪を溶かして血液にのせ、肝臓に移して溜め込もうとする先祖返りが起こります。肝臓にいるたくさんのミトコンドリアにはエネルギーの変換効率のいちばん高い脂肪がミトコンドリアには好都合で、皮下脂肪はどんどん血液中に溶かされ、脂肪は肝臓に溜まり続けます。 このように、脂肪肝はストレスを乗り切るための適応現象です。すによって体のしくみが古い段階に戻り、緊急事態を乗り越えようとしています。
肝臓にとって、毎日のアルコールや脂肪過剰な食事はストレスになります。アルコールを飲まない人でも肝炎(NASH:非アルコール性脂肪性肝炎)、肝硬変、肝臓ガンへと病状が進行していくことがあります。無理なダイエットとリバウンドの繰り返し、朝から夜遅くまでの長時間労働、人間関係の精神的な悩み、動くだけで息切れがするような腸肥満、交感神経を緊張させる薬などは、体がストレスと感じて危機を乗り越えようと脂肪を肝臓に溜め込み始めます。
肝臓では、昼と夜のエネルギーモードが異なっています。昼間は活発な脳のために糖を使ってエネルギーをつくります。夜寝ている間は、脳はそれほどエネルギーを必要としないので、肝臓は脂肪をつかって心臓のためのエネルギー(ケトン体)をつくるモードに切り替わります。夜更かしをしている人は、本来肝臓が燃やすはずの脂肪が燃えず脂肪肝になります。睡眠がとても大事です。
病院では、胆汁の分泌を促して改善するウルソデオキシコール酸などの薬が出ますが、脂肪肝は体の失敗ではなく身を守るための反応ですから、ストレスを改善することが近道です。 以上です・・。
次回は「肝炎」「肝硬変」を中心にお届けします。
からだの反応、起死回生の「細胞の先祖返り」はさせたくないですね~
ストレスはコワイです。気づきましょう! 温王子でした・・・
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