大腸~(盲腸、結腸、直腸)食べ物の最終処理~

たくさんの腸内細菌も排泄させ腸内環境の浄化にも役立っています。

 

 「便秘・下痢」~交感神経緊張・血流障害~

 

 便は健康のバロメーターといわれ、体の調子は便を見るとわかります。悪臭がなく固過ぎず柔らか過ぎず、バナナ状の大きさの便は健康の証です。

 

便秘:便秘は便の滞留が長く、水分を吸収され過ぎて固くなり、排便が難しい状態です。交感神経の緊張によって蠕動運動が減少し、排泄能が低下しています。 女性ホルモンとの関わりから女性には常習性の便秘が多く、神経が細やかなこともあり、生活習慣や環境、食事の質や量が変化しただけでも交感神経の緊張を招いて排泄が抑制されます。便秘が長く続くと、腸内環境の悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れて体に悪影響が及びます。

 便秘の解消に下剤や浣腸を常用すると腸管が刺激に慣れ、薬を飲んでも便意を催さなくなります。体内のカリウムが排泄されて腸が緊張しにくく蠕動運動が起こりにくくなるので、かえってべ便秘になりやすくなります。血便や鉛筆状の便が出たときや、男性の便秘は大腸の病気と関わっていることがあるので注意が必要です。

 

下痢:下痢は便の水分が十分に吸収されずに液状や泥状になった状態です。細菌やウイルスの感染、食べ過ぎ、飲み過ぎ、冷え、抗生物質の副作用、精神的なストレスや緊張などによって起こります。

 また、交感神経緊張状態から逃れようと排泄を促して何とか自律神経を元に戻そうとする副交感神経の排泄反射です。あまりの交感神経緊張によって食べた物が吸収されずそのまま下痢になって排泄されます。脱水症にならないように水分をとり、強く反射を起こす油っこいもの、冷たいもの、刺激の強いものは避けましょう。

 

治療:腸管には何ら異常がないにもかかわらず下痢と便秘を交互に繰り返し、腹痛を伴う過敏性腸症候群のような病気の場合、病院では下痢を優先して治療をします。下痢止めに副交感神経遮断材のアトピロンなどを使い、交感神経が緊張して下痢は止まります。しかし、これは間違っている治療です。問題は交感神経緊張にあるので最優先すべきは便秘の改善です。

 副交感神経を積極的に優位にするために適度な運動で血流を改善し、緊張を解きほぐす、深呼吸をする、お腹のマッサージや温めを行ない、食物繊維を多くとる、水分をたっぷりとるなど、リラックスできる工夫をしましょう。

 便秘も下痢もストレスが原因です。 腸がストレスの影響を受けやすいのは、腸は「第二の脳」ともいわれるほど神経細胞の多い臓器だからです。

 脳と腸の神経細胞には「脳腸相関」という密接な関係があります。脳がストレスを感じると、腸は直接その刺激を感じ取り下痢や便秘を起こします。下痢や便秘が起きると、腸から逆ルートで刺激が脳にまで伝わり、ストレスになる悪循環が起こります。

 そのため、ストレスの多い人ほどストレス解消を過食に求めがちです。副交感神経が支配している消化吸収の世界、食事に頼りがちです。中年期を過ぎても食事に頼り続けると高血糖になり、解糖系でのエネルギー生成が中心になり、別の病気を呼び寄せてしまいます。腸と脳を満足させる腸内環境を整える日本の伝統的な食事や発酵食品をとりましょう。  以上です・・。

 

今回の「大腸」はボリュームが多いため、次回に潰瘍性大腸炎や虫垂炎をUP予定です。  温王子でした・・・