十二指腸~さらなる消化を促進する~

アルカリ性の膵液の分泌を促したり、胃液の分泌を抑えるように働きかけます。胆汁や膵液が混ざり合ってさらに消化が進み、回腸に送られて体内に吸収されます。

 

 「十二指腸潰瘍」~交感神経緊張・血流障害~

 

 十二指腸の病気の大半は潰瘍で、十二指腸の粘膜がただれ、傷ついてしまう病気です。粘膜が胃と比べて薄いので、出血したり穴があいたりします。特に胃に続く部分、球部は潰瘍のよくできる部位です。

 十二指腸潰瘍は空腹時、特に夜間にお腹の上の部位や背中の部分に痛みを感じることが多く、吐き気、胸やけなどの不快感が起こることもあります。潰瘍が深くなると出血が起こり、大便が黒くなり、貧血症状もみられます。さらに深くなると、穿孔といって穴があいてしまいます。

 交感神経緊張状態の人に見受けられる病気ですが、副交感神経優位の人の場合でもストレスを急に受けると十二指腸に症状が多くあらわれるようです。

 十二指腸で、消化酵素が働くためには、十二指腸内を中性にする必要があります。 胃酸まみれの食べ物が運ばれてくると、十二指腸では酸の分泌を抑えるセクレチンや胆汁を分泌させるコレシストキニンが分泌され、膵臓からはアルカリ性の膵液が混じり合い、自然に消化酵素が働く環境が整うしくみになっています。

 副交感神経優位の人はストレスによって十二指腸からの分泌ホルモンが低下し、脂肪の分解を行う胆汁や膵液がバランスよく混じり合わなくなり、胃よりも本格的な消化を行う十二指腸に症状が出るようです。

 十二指腸の乳頭部は胆汁、膵液、十二指腸液などが混在するためにバランスよく消化液が出ないと粘膜が悪性変化を起こしやすい部分だからでしょう。

 そのためストレス、食事、喫煙、薬剤などの影響により、粘膜を守る働きが弱くなって炎症が起こっています。

 安静にして、タバコ、アルコール,熱いものや辛いものなどの刺激の強い食べ物を避け、消化のよいものを食べるようにすること、十二指腸の裏表に当たる部分を温めることが大切です。

 

最後に安保流アンチエイジング論で締めます。

 

 「アンチエイジング」

 

 誰でも平等に年をとっていきます。年をとらないで若くいられる不老長寿の薬はどこを探しても見つかりません。

 老化は生理現象です。加齢とともに体は微妙に交感神経に傾いていきます。「老いは血管から始まる」といわれるように、血管の中に老廃物が溜まっていきます。脈拍が速くなる、血圧が高くなる、硬化していくことは避けられません。

 ところが不思議なことに、検査では老いを考えた検査の基準値は設定されていません。若い人もお年寄りも誰もが同じ基準値です。運動機能には必ず年齢別の数値の設定があるのですが・・・。

 検査の基準値が変更されることはあっても、年齢別の設定はありません。毎日臓器が働いて年を重ねてきたのですから、腎臓も肝臓も膵臓も、働き続けたぶんだけ機能が低下していて当たり前です。ですから20歳と80歳の人が同じことはありえません。運動機能が低下するならば、当然、内臓機能も低下していきます。 若い頃のような理想的な基準値を目指すことには無理があります。その数値を目標にしてクスリを処方するのは、おかしいのです。

 一般的な検査の基準値をベースに薬を使い数値を下げようとばかりすると、血流不足が起こり逆に病気に近づいていきます。

 薬を処方し続ける病院は、利益を追求する一般の企業と変わらなくなっているのではと思わざるを得ません。

 体はリンパ球でも血糖でもでも高くなっている数値を下げることはたやすいのですが、一度下がった低い数値を上げるのは至難の業です。年齢の場合は逆に下がって若返ることはかなりの無理があります。老化の進み具合、酸化の度合いに応じて自律神経は老化を調整しています。薬で免疫力を上げるのはアンチエイジングの薬を探すのと同じように難しいものです。 

 

 以上です・・。さすが安保先生!バッサリでした~(笑)。やはり「アンチエイジング」や「免疫力UP」には還元陶板浴の上手な利用が欠かせませんね!

 

次回は「胆嚢」です。小腸・大腸と続きそうですが、胆嚢のお仕事、ご一緒にお勉強しましょう!   温王子でした・・・