耳~音が聞こえるしくみと平衡感覚~

ほこりなどが混ざり合い、酸性で蛋白分解酵素を含み、殺菌や保湿の作用で耳の中を傷つかないよう保護しています。

 

 「耳鳴り」~交感神経緊張・血流障害~

 

 耳鳴りは聴力が低下し、聞こえなくなった周波数の音が聞こえるものです。

キーンという高い音は、加齢とともに耳の機能が衰えると聞こえやすい音。ジーと蝉の鳴くような音は、突然耳の聞こえが悪くなる突発性難聴などで起こりやすい音。ボーという低い音の耳鳴りは、めまいを伴うメニエール病のどの病気で聞こえやすく、また、低音部が聞こえにくくなる前兆でも聞こえる音です。

 耳鳴りは加齢によるものだけではなく、長時間のパソコン作業による慢性的な肩こり、睡眠不足、眼精疲労などのストレス、高血圧などによって耳への血流が悪化して症状が出ます。耳をよく使う音楽関係の仕事をしている人も、首周辺の血行が悪くなって耳鳴りがします。

 原因は、ストレスの負荷による血流障害です。交感神経の緊張が過剰になり血流障害を起こすのです。一時的なものは血流をよくすると耳鳴りが改善する可能性があります。耳の後ろには脳に血液を送る太い動脈が通っているため、温め適度な運動や入浴をしたりすると効果的です。

 耳鳴りは一生懸命何かにとり組んでいるときは気にならないのですが、緊張がほぐれて副交感神経優位になる夜や寝る前に聞こえやすくなります。

 耳鳴りに神経質になると、眠れなくなるなどの悪循環を生じかねません。耳鳴りはなかなか改善しずらい症状ですが、「受け入れる」「共存していく」というスタンスに変わると、不思議なことに耳鳴りがさほど気にならなくなります。

 石原慎太郎氏が耳鳴りがしょっちゅうするというのも、会議で人の話を集中して聞く交感神経緊張状態が原因なのかもしれません。私も15年くらい前から左耳が聞こえにくくなっています。

 私の場合は風邪をひいたときに、起こる喉と耳の炎症を繰り返しているうちに聴力の低下と耳鳴りが起こるようになりました。ところが、不思議に耳鳴りは何かに夢中になっているときは気になりません。集中していると耳鳴りを忘れている人が多いのです。薬などは飲まずに自然に任せることをすすめます。

 

 「突発性難聴」~交感神経緊張・血流障害~

 

 突発性難聴は、突然、片側の耳の聞こえが悪くなる病気です。耳が聞こえなくなると同時に、耳鳴りや耳がつまった感じ、めまいや吐き気を生じることもあります。ただし、めまいは繰り返し起こりません。

 突発的に起こるので患者さんは発症時期や発症前の状況を覚えています。

患者さんに聞くと、夫婦喧嘩の後に起こったという話もあります。精神的、肉体的ストレスを感じながら過ごしている交感神経緊張状態のときに、さらに何かのストレスがかかり、ふえすぎた顆粒球が炎症を起こし、突発性難聴で内耳を破壊したのです。

 心身ともに安静にすることが重要です。安静のみでも内耳循環障害の改善が期待されます。ただし、神経は障害を受けると再生はしません。

 一般的な治療には、血管拡張を目的とした血管拡張薬、血栓による内耳循環障害の解消には抗擬固薬が用いられます。代謝改善薬や抗神経ビタミン製剤との併用や、ステロイド剤の投与もあります。中には鼓膜を介して中耳(鼓室)にステロイドを注入(副腎皮質ステロイドの鼓室内投与)する方法もありますが、長期服用はおすすめできません。

 その他、血管を拡張させる二酸化炭素の働きを活用し95%酸素・5%二酸化炭素の混合ガスを吸入させる方法、血管内酸素濃度を上昇させるために高気圧酸素療法や、頚部の交感神経節に局所麻酔薬を注入して活動を一時的に遮断する星状神経節ブロックなどの治療法を行うこともあります。

 こうした対処療法には副作用もあります。本質は生き方です。体を温めて、ストレスをとり除くことがいちばんです。

 

 「メニエール病」~交感神経緊張・血流障害~

 

 メニエール病は30歳代後半から40歳代前半の女性に多く現代医学では原因不明とされる病気です。

 患者さんには太っている人は少なく、性格は几帳面で神経質、精神的肉体的な疲労、ストレス、睡眠不足などの状態にある人に起こりやすい傾向があります。

 内耳にある蝸牛、三半規管、前庭は、それぞれリンパ液の入った袋の構造をしていて内部でつながっています。通常はリンパ液が循環しながら吸収され、一定量保たれていますが、リンパ液が過剰につくられるのか、吸収障害によってリンパ液が余計に溜まり内耳の水ぶくれ状態(内リンパ水腫)が起きている状態です。そのため、回転性のめまいと吐き気、難聴(低音部)と耳鳴り、ふらふら感、冷や汗、顔面の蒼白、脈が速くなるなどの症状が起こります。

 回転性のめまいは数時間から半日で収まりますが、難聴、耳鳴り、ふらふら感は数日続くことがあります。こうした発作が数カ月、もしくは数年に一度、繰り返し起こります。

 原因は、交感神経緊張状態のあまりにも激しい生き方によってふえ過ぎた顆粒球が三半規管で炎症を起こして組織を破壊したことです。交感神経緊張の生き方を変えることが何よりです。また、体の冷えを解消すると血流が改善され、快方に向かいます。

 現代医学では薬による治療が主です。

内リンパ水腫に対しては、水ぶくれを軽くする目的で利尿剤系統の薬、イソソルビドが広く使われています。内耳の神経細胞や内耳神経の活動を改善する目的で、ビタミン剤や抹消血流改善剤なども使われます。

 いつ起こるかわからないと不安を抱えながら過ごすよりも、体の内から外から温めることです。

 食事には生姜ををとり入れ、靴下の重ね履きや腹巻き、半身浴、手足の爪もみを行い、血流をよくすることです。  以上です・・。

 

耳もストレス回避と温めなんですね~(笑)。還元陶板浴でピッタリきます!

次回は、またまたオマケで「耳ほぐし」と「2つのタイプの不眠症」をお届けします。ご期待ください!  温王子でした・・・